Pizza

朝日新聞の世界の料理、アメリカのイタリア料理シリーズなどを参考にして書いて有りますので 2016/10/06
著作権等に注意して個人で楽しんでください。
料理レシピについては実際に料理をして、時間配分、料理法などを研究して書き上げました。
写真に関してはそのうちに載せます。

平成16年度 足利工業大学附属高等学校研究紀要に掲載したものをWEB用に編集しなおしたものです。



本場のピッツァに挑戦しよう(イタリア料理のプロの味に挑戦しよう)


                         東京大学農学部研究生(松本研究室)
                                電気科 岩
 眞理


はじめに

 このシリーズを作るにあたり児童生徒が本格的料理を簡単に作れることを主眼として、それぞれの料理を3年以上
試行錯誤しながら料理実験を行い、炭焼き教室の,お昼の食事として楽しく、誰でも間違いなく美味(おい)しい料理
が作れるようにマニュアルを作成したものである。内容については出来るだけ児童生徒が導入しやすいように
平易で、かつ解りやすいように,その始まりや,歴史的背景および科学的なことを最初に書き、それから料理の作成
方法などを平易な文章にまとめたものである。



1.歴史と背景
 
 イタリアに
トマトが入ってきたのは、17世紀の初めに南米のペルーからもたらされたもので、
それ以前には現在のピッツァは無かった。1492年にアメリカ大陸の発見後のあとから移入された。
そのほか、南北米からもたらされた植物は唐辛子、ジャガイモ、トウモロコシが持ちこまれた。
ナポリは、1503年から、約2世紀にわたり、スペイン総督の支配下にあり、ついで1861年
のイタリア統一までフランス系のブルボン王朝の支配下にあり、執政者たちはナポリ統治政策とし
て3F政策を行った。このFは
小麦粉(Farina)祭り(Festa)絞首台(Forca)のそれぞれ
の頭文字であった。イタリアという国は第二次世界大戦後に出来上がった。それ以前には小さな国の
集まりであった。
当時の権力者たちは人々に適量の小麦を与えて飢えをしのがせ、祭りを行って民衆を喜ばせ、そして、
必要に応じ絞首台に人を送り、権力者の恐ろしさを見せ付ければよかった。
 これは、その日に食べるものさえあれば働かないで、日向ぼっこしているほうが良いという、ナ
ポリの民衆の心をつかんだ統治政策であった。
 ピッツァはこうした環境のもとで生まれまた。小麦粉を練って、上に
トマトをのせ、オリーブ
油をかけて焼いたものだけでしたが、満腹感と栄養は十分にあった。
小麦粉を平らに伸ばして焼き上げたものは、昔からあったが、今日のようなピッツァは最初に書
いたように、
トマトが入ってきたのは17世紀になってからと考えられている。ピッツァ と言うと、
魚介類がたっぷりとのったピッツァを連想なさる方もいますが、実はトマトソースにバジルをかけて
焼いただけの簡単なピッツァです。
 水夫風ピッツァにアンチョビーと皮をむき、種を抜いたトマトを薄く切ったものとモッツアレラ
チーズを載せてオリーブオイルをかけて焼いたものが、ナポリ風ピッツァとなります。水夫風と違い、
一番多く具がのっているのが四季のピッツァ(Pizza a quattro stagioni)と
呼ばれピッツァの台を四等分に仕切って、ボンゴレ、ムール貝、茹でた蛸と烏賊、塩漬けのアンチ
ョビー、アーティチョーク、黒オリーブ、ハム、サラミ、マッシュルームのうちから4つを選び載
せて焼いたものです。


2.ピッツァ・マルガリータの由来

 名前の由来から面白いのはピッツァ・マルガリータ(Pizza Margheritat)1889年6月イタリア
国王ウンベルト1世の、お后マルガリータがナポリの離宮にやって来て、その時にナポリ名物のピッ
ツァを所望され、その時にピッツァ職人のエスポジトが呼ばれた。
このときエスポジトは感激し、腕を振るってピッツァを作り上に載せたものが、イタリア国旗の3色で
ある、
赤のトマト、白のモッツアレラチーズ緑のバジルであり、それをピッツァマルガリータと命名
した事が、その由来となっている。その他にはジャガイモ入りピッツァ、これはピッツァの台を
ジャガイモ50パーセント、小麦粉25パーセント、とうもろこし粉25パーセントで練ってある
台を作り、その上にトマト、モッツアレラチーズ、塩漬けアンチョビー、オレガノをのせ焼いたピ
ッツァです。アンドレア風はリグーリア州の名物であり、台にトマトと玉葱のソースをかけ、塩漬
けアンチョビーをのせオレガノやバジルをタップリと、載せて焼いたものです。田舎風ピッツァは
どちらかと言うとパイに近いものになります。チーズやサラミを、ベーコンや、ゆで卵を切って
パイ生地に並べその上にパイ生地をのせ卵黄を塗ってオーブンで焼いたものです。
イタリア家庭料理となりますと、パスタ料理が主となりますが、これは次の炭焼き教室の材料と
して取っておきます。


3.トマトの栽培と移入

 トマトの栽培には、乾燥した土地がよくあっていますので、地中海の周りで栽培が発達したので
しょう。本当は昼夜の温度差が大きいほど、また乾燥の度合いにより糖度の高いトマトが出来ます。
日本でもイタリア産と同じトマトを栽培している方もいますし、私もプランターで苗木を買って
きて、育てる年もあります。ピッツァとパスタ料理が上げられますがパスタ料理は次回の炭焼き教室
の材料として残しておきます。イタリア国旗の赤色のトマト栽培には乾燥した土地がよくあっています。
 この地中海の周りではトマトはその地域での環境に順応したトマト栽培が発達しました。
 またトマトは昼夜の温度差が大きいほど糖度の高いトマトが出来ます。トマトが西洋に入って
来たのはコロンブスがアメリカ大陸の発見の後に南アメリカのアステカ地方から入ってきました。
原産地のトマトは色や形も多種ありそれらをヨーロッパに持ち込み地域に特有な形や味になりまし
た。トマトの最も原種とされる物はペルー・エクアドル・ボリビア地方にあるものとされています。
そこに住んでいたインディオ達が栽培し食用にしていました。またインディオ達の生活範囲が中央ア
メリカ・メキシコなどに移住すると共に広がっていったと。そしてメキシコに渡ったトマトがチェリ
ートマト・ペアトマトそして普通のトマトへと分化した。日本ではトマトは一年草と分類されていま
すが中央アメリカなどの熱帯地方の原種は多年草という事です。ヨーロッパには最初は食用ではなく
観賞用植物とされ輸入されました。またトマトの導入ではイタリアが積極的であり導入されてから
約年後に記録されたレシピ集の中にトマトを使用した料理が記録されていました。そして後のスパ
ゲティやピザなどの各種の料理に使われていきました。19世紀になり現在使われているトマトは
品種改良の結果、どこでも使えるトマトとして低温で日照時間の短い地方で栽培できる品種になり
ました。
 また日本には17世紀に持ち込まれています。日本で一番古いトマトの記録は貝原益軒が1708年に
書いた『大和本草』でした。このときも観賞用としてのみで一般に広まる事はありませんでした。
日本でも南米の気候と同じように水分を減らしたトマト栽培を行っている生産者もいます。このトマ
トの糖度は一般のトマトより高くなっていますので値段は一個500円以上もします。


4.トマトの栄養につい

 緑黄野菜の一種でカロチン(ビタミンA)をはじめビタミンB6,C,E,H,P,及びミネラル食物繊維が豊富に
含まれています。また体内の塩分を排泄する作用のあるカリウム(k)が豊富で高血圧を予防する働きを持っ
ています。
 トマト独特の酸味は胃を適度に刺激し胃液の分泌を促し食欲増進の働きをおこないます。赤い色はリコ
ピンとβカロチンです。リコピンは栄養素では無いが強い抗酸化作用がありガンの防止や心疾患予防などに
効果があると言われています。またゼリー質にはビタミン、皮には食物繊維が含まれています。
 ビタミンは相乗効果を発揮し細胞と細胞をつなぐコラーゲンを作り血管を丈夫する働きをしています。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれているほどトマトにはさまざまな効能があります。
 その中でも高血圧の予防と治療としてカリウムがあります。このカリウムは外部のエネルギーを使って
細胞内のナトリウムを排泄してくれますので血圧を下げる効果があります。
なおトマトは低エネルギーで生(なま)で丸ごと1個たべても約40Kcalです。そして血液の流れを良くし、
脂肪の消化を助けてくれます。

西洋トマト



5.最初にトマトソースの作り方です。

5.1材料の用意

 一般の方がトマトソースを作らないのは、どちらかと言えば、失敗を恐れている、めんどくさい
手に負えないだろうと思っているのではないのでしょうか。
 今回のソース作りには、失敗は絶対にありません。失敗と言えば、せいぜい出来たソースが薄いか
濃いか、塩がきついか、甘いかの違いだけですので、気楽に作ることが出来ます。
材料には旨味調味料(化学調味料)は本物の味を極めるため絶対に使わないことです。
 まずホールトマトまたはカットトマトの缶詰(作る量により個数を調整)イタリア産かスペイン産を使います。
 国産のトマトは生食としては適していますがトマトソースには不向きです。現在は缶詰の内部の被膜の問題が
取りだたされている。
5,バジルの葉5,6枚(冬場は沖縄産、あとの季節はプランターで作れます。

バジル オレガノ

あればバジル少々(これも同じく、夏季はプランターで作れます。)
塩は(天然塩、一般的に海水塩と表記されています)、沖縄、九州、瀬戸内海、大島、フランスなど
の美味しい塩を用意します。(自分の好みで)
加工塩は不可、微量のミネラル成分は海水塩からしか取れません。
大蒜(にんにく)1かけ―なくてもよいが一味違う。
バージンオリーブオイル100cc。多い目の方が美味しい。
メーカーや産地の差により味が変わります。(バージンとは絞りたてと言う意味です)
トマトの缶詰はホールトマト又はペーストを購入します。(イタリア産又はスペイン産)


5.2準備と料理

トマトを半分取り出し、トマトをみじん切り(食感を楽しむため)にします。残りは裏ごしをする。
 そして両方ともジュースの中の缶に戻しておきます。
バジルは、みじん切りにしておきます。
大蒜は、すりおろすか、みじん切りにしておきます。
フライパンにオリーブオイルを入れ150度くらいに熱します。
大蒜(にんにく)を入れ、油に香りを移します。

※(共通事項)みじん切りトマトとジュースを入れます。
中火で、よく混ぜながら、焦げ付かないように、水分を飛ばしていきます。
やや水分が飛んだらバジルとオレガノを入れ、よくかき混ぜます。
次に、塩を加えて、味見をしながら、やや塩味が濃い状態にします。
これは生地にはあまり塩分が入っていないので、また塩分が濃くても海水塩からの塩は、血圧を下げる
効果があるので大丈夫です。
夏場は塩味がきついほうが美味しい。これでトマトソースが出来上がりです。
ソースの応用編上の材料に玉葱と合挽きの肉とローレルを用意します。
まずオリーブオイルに大蒜を入れます。
みじん切りした玉葱を加え、中温でいためます。
合挽きの肉を入れ、良くいためます。

簡単に作れます。


後は※印と同じ


6.ソースの応用編

5.2と同じで、基本のホールトマトをトマトペーストに置き換えます。
途中の煮詰めの時間が短縮されますが、その代わりに舌ざわりが変わります。
ソースの応用編応用編
2に裏濾したアンチョビー2本分を加えます。
最後にスピードカッターに入れて、全てをペーストにして、冷凍して、適宜使います。
基本のソースが手っ取り早く、意外と美味しい。
(マルガリータピッツァの場合は基本ソースのみ)
(2)生地の作り方
材 料 4個分
強力粉(パン用強力粉)又はイタリア産強力粉300グラムと薄力粉100グラム(合計400グラム)
イタリアではフランスパン用の粉を使用しています。
代わりに強力粉に20パーセントの馬鈴薯でんぷんでも大丈夫です。
強力粉1対薄力粉1で粉を合わせる方もいます。イースト菌少々。(生でも乾燥でも可)を用意。
水260〜280cc(竹炭で浄水しておくと、より美味しい水となります)牛乳でも可。
砂糖を小匙1杯(砂糖はイースト菌の餌になります)
塩小匙1杯
オリーブオイル又はバター30cc
イースト菌は水で戻して砂糖を加えておく
ボールに粉、塩、油、イースト菌の入った水を入れる。
よく練って、打ち付けを、最低20分ほど繰り返します。
ビニール袋に入れ、夏季はそのまま2時間、その他の時期は4時間放置
冬季は発泡容器に使い捨てカイロと一緒に入れ、その熱で保温して4,5時間位で発酵が出来上がります。
出来上がった物は、空気を抜いて冷蔵庫(5度C下)で保管すれば冬季で1週間ほど、夏季は3日ほどは
 もちますので安心して下さい。


7.本物のピッツァマルガリータの作り方

オーブンの温度は350度から400度に設定します。
一般の家庭のオーブンでは簡単に、この温度には、なりませんので別途説明します。
30センチの網を用意します。(砂フルイの細かい網が一番扱い易い)
チーズはモッツアレラチーズを使います。(高いのが難点、100グラムで400円から450円程度)
本物は水牛のチーズです。
バジルの葉を5枚くらい。夏場地場産、冬は沖縄産、庭で簡単に作れます。
生地の4分の1を切り出し強力粉をふりつけてから、延し棒で30センチくらいの丸型にします。

網に刷毛でオリーブ油を塗り付けます。
伸ばした生地を網の上にのせます。
基本ソースの必要量を生地の上にのせ、ヘラで平らに適当に伸ばします。
このときに外側の部分の約1センチほどは、わざと縁を作るために、ソースは、付けません。

伸ばしてソースをかけます。


生バジルを、ちぎりながら、きれいに並べます。
モッツアレラチーズを適当に切り、デザイン良く散らします。
バージンオリーブオイルを適当に円を書くようにかけます。
もし塩分が足らないと思ったならば、塩水を作り、スプレーで塩水をかけます。

バジルとチーズを載せます。


オーブンを350度から400度にしておきます。
オーブンにピザを入れ1分30秒ほどで、出来上がります。

焼き上がり



※.一般のオーブンでも300度になれば、3分位で焼きあがりますが、いまいちです。
 その為に鉄板を上に一枚置いて、300度に余熱後に下に焼くピッツァを置いて焼くと大丈夫です。
ふりかけの唐辛子はアメリカのマコーミックのピザ用一味(あまり辛くない)がピザ用として一番合います。
次はチリペッパーです、意外と合うと思います。
日本産より韓国の唐辛子のほうがあまり辛くなく良く合います。
タバスコソースはだめ。ぼたっと落ちて一箇所だけ辛くなるし、醸造酢が入っているので味を壊します。
 でも、好きな方は、スプレー容器に入れてかければよいと思います。


8.一般ピッツァの応用編1

8.1材料
ピッツァ用チーズ 混ぜ物のないチーズ(生乳のみ)を用意します。
ほとんどの市販品のチーズは焼きあがったときに糸を引いて、うまそうに見せるためにセルロースなどの
添加物が入っています。

 ドライソーセージ又はハムなど玉葱、塩(塩味の調整)。出来るなら、塩水スプレーがあれば調整できます。
生地にのせるのには酒の肴では、ドライソーセージ(サラミ)、ハムなどがおいしい。
生地の上にソースをのせその上に薄くスライスした玉葱をのせサラミの薄切りをのせ、
バジルの葉で香りをつけ、ピザチーズをのせ、バージンオリーブオイルをかけて焼き上げます。
ピッツァの応用編2
ピッツァ用チーズ、完熟トマト、塩
トマトをスライスします。生地の上にオリーブオイルを塗ります。
スライストマトを載せます。塩をふりかけチーズをのせてオーブンで焼きます。
 簡単で美味しい。



9.ピッツァの応用編3

大き目のナス、完熟トマト、チーズ、バジルの葉、天然塩
ナスを1センチほどの厚さに切り、塩をふりかけてから、なじませた後、油で揚げます。
生地を丸く作り、その生地の上にナス、ソース、トマト、バジル、チーズの順にのせます。
 オリーブオイルをかけて、5分ほどオーブンで焼きます。
トマトソースとナスは良く合います。
ピッツァの応用編4
ピッツァの生地の代わりにパイの生地を使います。
これは、以外と美味しいよ。後は適当に、試して自分に合った美味しいピッツァを楽しんでください。


pizza窯  45p×40p内寸 上部火入れ高さ12p 下部火入れ高さ15p 下部鉄板の上にセラミック板が入ります。
窯部 高さ15p 下部から 4pの底上げ 鉄板の厚さ2o 重さ約50s
現在も改良中です。余熱後 450℃ 2分以下で焼けます。
上の火入れだけではバーベキュー鉄板となっています。上部に鉄板を入れて下部だけの火入れでも使うことが可能。
鉄は外熱により遠赤外線を出すことに注目


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