用意する材料、工具 炭にする竹や木、温度計250度まで計れるもの、あれば1000度程度まで計れるK型温度計、竹、木酢液の採取用のバケツ又はミルク缶、竹の場合約3時間、木の場合5〜6時間の火入れです。 木の場合、竹と読み換えてください。 シャベル、バケツ、消火用水、余分な土(入り口を塞ぐ)、ミルク缶(出口用)pH試験紙又はpH計測機 竹の用意、真竹でも孟宗竹でも、どちらでも手に入れることの出来る方の竹(木)を用意します。 特に5年以上の古い竹なら、なお良いのですが。11月から1月10日までに切った竹なら最高です。 霜が降りてから1週間後から1月10日頃までと(群馬県中部)言われています。 新しい竹ですと、割れが多く発生しますし、軟らかい炭になります。 竹の長さはドラム缶に入る長さに切らなければなりません。 IM−4〜6型は40センチ、IM−7〜12型は80センチの長さにそろえます。そして竹は、中に空気の部屋を持っていますので、この部屋の仕切りを取りませんと、爆発をしてしまいますので必ず節を金属の棒などで、穴を開けるか、または全体を2〜6等分に割って、節を取り、体積が小さくなるように、してください。省略可 そして、窯の中に横に寝かして焼いてゆきます。竹を窯に詰める時に、材料の上側には、5センチ位の隙間を作って置いてください、ここは、熱風が通るところになります。詰め終わったならばドラム缶に蓋をしてから、その上に、10センチほどの厚さに鹿沼土を被せます。 土は丁寧に押し固めて、空気が入らないようにします。排気口に垂直煙突を2本付けます。これは排圧を少なくするためです。 1回に使う燃し木は出来るだけ乾燥した燃え易い木(竹・杉・檜・米松のみ)を用意してください。 燃し木(薪)は3時間で約30キロ位の量を使います。松・楠・防虫剤加工の木・油の多い木・栗などは不可 木の場合は1.6倍は最低用意します。私は杉材の端材と米松の端材を使っています。 燃し木は直径が3センチ以下でかつ長さが40センチ以下にカットしておきます。 窯の燃し口の長さは42センチですので木の長さが長いと、窯の外に出てしまい、外で燃えますと、この熱による上昇気流により火が外へ引かれてしまい内部の温度が下がるからです。 まず火起こしの準備をします。 焚き火等をして、種火を作り、その木を窯に入れます。窯の中で火が着きましたら、火を絶やさないことが一番です、燃しすぎもエネルギーの無駄となりますので効率良く、火燃しをします。時間的なことに移ります。火をつけてから、40〜50分(中の材料の体積や水分量により違います)で煙突から出る煙の温度は80度に達します。 これ以前の温度では、竹や木に含まれている水分やメタノール(78.8度にて生成)が多く、あまり良い竹酢液が取れません。 経験をつむために、このときの煙の色、出具合を記録しておきましょう。 色と温度は密接な関係があります。煙の温度かが85度の温度になったら、分流用煙突に付け替えます。 煙突の長さはできるだけ10m以上にして下さい。また採取用の煙突は木炭協会の指示によりSUS304又は同程度のものを使うことになっています。 竹、木酢液を取る温度は85〜120度のところです。150度を超えますとタール分が発ガン性の危険もあり、これも使い物になりません。 必ず10分ごとに温度計で測って確認しておきます。80度になったら燃し木は全て竹に切り替えます。 特に蒸留して飲用を考えている方は85〜120度を守ってください。 出てきた竹酢液のpHも計ってみましょう。缶から液を30mlほどビーカーに入れBTBの試験紙をいれて、色の変化を見て、確認してください。 pH計のある方は、ガラス電極を中に入れてメーターを見てください。だいたいpHは2.2〜3.3位を示します。 火の当番の方は食事をするのも大変ですので、出来るなら2人以上の方が交代で当番にあたれば、なおさら良いと思います。 ただし、炭焼きは炭を蒸し焼きにするので、団扇や送風機で風を大量に送ると、酸素が多くなり、火が内部の木に燃え移りますので、使わないで下さい。 最後に白炭にする以外は、すべて蒸すことを考えてください。くれぐれも、空気を送らないように、気の短い人は大量に火をくべるので早く出来すぎて軽い炭となってしまい失敗します。 なお、学校での実験の場合には、煙突の先端部分から出る煙の色を15分ごとに、観察させてください。その時に排気温も測ってください。(なお煙突の外部温度と内部温度の差は20度から150度くらいあります)分留用の煙突から出てくる液体は、溢(あふ)れないようにして、別な大き目の容器に集めます。 あとで、ペットボトルに入れて、温暖な時期では3ヶ月以上、冬季は6ヶ月以上放置しておきますと、液が比重の違いにより上、中、下の3つに分かれます。 上の部分は、揮発油成分が中間には竹酢液、下の部分にはタール成分とに分かれます、この中間の液体が良質な竹酢液となります。 このまま、火を入れていきますと、大体3時間程度(木で5時間以内)で内部の竹(木)全体の炭化が進み、竹は真赤になります、このときの煙突から出る煙の色が白煙から青紫の色になりその後完全な透明な色になります。この色になりましたら、黒炭の出来上がりです。ただちに用意してある土で、入り口を全て塞いで空気の入らない状態にします、煙突側も3本の煙突を下の1本だけにしたら煙突に缶等でフタをして、内部を窒息させ消火します。 内部を完全に酸欠状態にして、温度が下がるのを待ちます。 この状態にして、半日から1日置くと、黒炭が出来上がります。 時間があまりないときには、フタタの部分の土をどけてください。ただし縁から空気の入らないくらいの状態です。温度や湿度や風により温度変化は違いますが3時間程度で200度くらいに下がります。 次にシャベルや炭挿みなどで炭を取り出し、土や灰をかけて、温度を下げます。忙しいときは、すぐに取り出し冷たい砂の中で冷却します。 |
下の写真はドラム缶の窯で竹炭を作っています。
![]() @左が旧型の5号炉です。 |
![]() A強制送風による高温度化 1200度以上 |
![]() 12月の時の実験中の写真 |
夏の時の窯の実験中 |
前面からの様子、ALCが見えます | 竹酢液の採取用18リッター缶です |
白炭の作り方(高温用温度計を用意できる方はやってみる価値があります)
白炭は800度以上で焼いた、硬い炭で、電気伝導度も小さくなり、代表的なものは姥(うば)目樫で作った白炭の備長炭です。ただし備長炭が何でも一番よいとは限りません。
この窯の、温度は土の断熱材で、通常、この窯の内部温度の最高は750度〜950度程度の温度ですが、窯が溶けない安全温度は1100度ですので、その温度に近づける方法について書いておきます。白炭は炭が1000度以上の真赤なうちに取り出し、灰の中で温度下げますので、その白い灰が炭に付いているので、白炭と呼びます。 但し、あまり土壌改良には向きません。ミネラル成分がガラス化してしまい、溶けなくなるからです。 しかし重金属を吸着する点では高温度で焼かれた炭の吸着力はすごいものがあります。 窯の加工を行います。まず出口側から20センチ、上から30センチの横に直径20ミリの穴を開け、そこに、計測用のパイプを取り付けます。この金具は電気工事用の螺子なしカップリング等を用います。近くのDIYの売り場にあると思います。アルメル-クロメルのK型温度計で測定棒の長さが40〜50センチの長さのものを用意します。1000度程度の温度にするためには、通常より断熱と保温が特に重要となります。 簡単に温度を上昇させる方法を、書いておきますが、ただし1000度でも時には内部の温度が1300度以上に瞬間にあがってしまい、窯やスノコが溶けて壊れることがありますので、注意してください。 800度以下の黒炭では30回以上も、使えますが、1100度以上の場合には、一回で壊れる可能性がありますが1000度以下ならば、10回以上は持つと思います。学校の窯では40回ほど1100度で使いましたが、異常はありませんでした。ただし大分鉄板が薄くなっていました。4年も使えば元は取りましたが。 .セラミックブランケット1300.送風機など風を送る機械(ブロアモーター)ALCを用意し80センチの幅で2枚切り出します。まず、窯を立てて、セラミックブランケットを燃し口側に巻きつけ、針金で上中下の3箇所で固定します。ALCを窯を置く下に敷いておきます。 次にその上に窯を置き、燃し口側に2個のブロックを前面に20センチ離して置き、その前側にALCを立てて取り付けます。 両横と後ろ側にALCを立てて全体を鉄の杭や棒等で固定します。窯とALC間の断熱材には鹿沼土と一般の畑の細かい土を混ぜ入れて断熱を良くします。
次に竹を詰めますが一番上の部分には1センチ厚程度の杉木を全体に乗せて置きます。 高温にするために、10分ほど余分な送風の時間がかかります。温度を測るのを忘れずに、IM−4型では絶対に1000度を越さないこと。1000度を越すと上の蓋の変形と本体の変形がおきる事があります。 窯が溶けて、爆発し炭が飛び出る危険性があります。IM−7型の高温型以後は1100度まで使えます。
炭焼きで黒炭の出来上がりの最後に煙の色が青紫色に変わったならば、送風機で風を送り込みます。
もし熱風が出ても決して水はかけないこと、適当に土をかけて消火してください。 このときに火種のおき火がいっぱい残っていることを確認します。温度計を見ながら、1000度になったら、風を弱め約3分間ほど温度を一定に保つ様に送風します。
終わったならば、すぐに燃し口と出口を塞ぎ自然冷却します。 硬い炭を作る時は30分程度の冷却後、すぐに炭を取り出して乾いた砂の中に炭かぶせ急冷します。 内部温度が200度以下になったら、蓋を開けて炭を取り出し、乾いた砂で被います。 1分後には手で触れるほどの温度になります。 鉄は1150度を越すと、軟らかくなり、1300度以上になると溶けてしまいます。 2000年12月3日の高温耐性実験では、セラミックウールの断熱材を使い、また、ドラム缶の燃し口部分と排気部分を2重加工し、さらに断熱材を多量に使い、高温耐性実験を行いました。このときの炭化時間は2時間40分でした。
ドラム缶の10センチ内部で、1201度まで、上がりましたが、内部のスノコは溶ける寸前の状態でした。
(多分中心部分の温度は1300度に達したと思います)この実験の時に窯のフタは曲がってしまいましたが、セラミックウールに守られ、空気は入リませんでしたが、窯の本体は、大きく変形していました。この時できた竹炭は最高の音の良い白炭が出来ました、抵抗値は1センチの距離で5オーム以下になっていました。現在最高温度は2001年8月17日に達成した1222度です。 感想は、こんなにお金のかかる実験は二度と、したくありません。(予算がつけばもっとやりたい!) もしどうしても、1回で壊れても,いいのなら、やって見たい方は、ぜひやりましょう。
なお、実験に使ったセラミックウールは、とんでもなく高いので、一般の方はやめたほうがいいと思います。ロックウールは3坪で3000円程度です。セラミックウールは、1300℃耐火で、その10倍以上します。グラスウールは使わないこと、間違えて買わないで下さい。400度で溶けます。燃料の木は2時間30分は杉とヒノキの乾燥したもので、最後は米松を使用しました。 最後に 竹で手を切ることもあり、安全には十分配慮してください。特に子供さんの場合火傷の危険があり服装についても化繊はやめてください。手袋・保護眼鏡・難燃の長袖・長ズボン・帽子・マスクは完全着用 講師を頼まれて行っての指導中の事故の責任は取れませんので、各自で保険をかけてから楽しい炭焼きを行ってください。 |
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温度特性について この窯の知的所有権170136号を(有)明光エレクトロニクスに供与しましたので、個人で製造して 個人で使うのはかまいませんが、法律により製造販売行為は出来ません。 現在まで製造許可(団体)をしたところ(許可条件は、お問い合わせください)
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