炭焼の安全教育とダイオキシンについて                        修正2004/10/04


安全教育の徹底
 炭焼き実習において、最初に引率教員や引率責任者に来てもらい実際に用意から全体の炭焼き工程の、どの部分で危険が
一番発生するかを教えておく必要があります。
 工業高校の実習の現場に携わっている教員や中学の技術家庭や危険な運動部の顧問の方は安全対策を理解できる方
が多いのですが、それ以外の教員は外での訓練をほとんどしていないために安全に対する自覚が無いのが現状です。
事故に遭った生徒の対処も出来ないで立ちすくんでいる教員が多く、またそのような教員は他人に責任を押し付けるので
注意を要しますので必ず引率の教員又は責任者から承諾書に自筆のサインをしてもらう必要があります。

火気の取り扱い・機械の取り扱いなど危険がいっぱいあります。
炭焼き窯の周りにも木の株や竹が散乱したり金具がとがっている場所が多いので注意を要します。
特に遊び半分で参加をする、あきれた教員が多いのも事実です。
このような教員が一番早く怪我をしています。そしてたいした事の無い生徒の怪我の血を見て大げさに行動したり
失神してしまう教員もいます。
 教員に配布した文章を読まない馬鹿な教員もいます。たとえば手袋や作業着を持って来なさいと書いてあるのに持って
こない教員が大部分という話もありました。
特に都市部の教員の出来が、今までの結果一番悪いのも事実。そして自己主張ばかりで責任を転嫁する学校が多いのも
事実です。自己主張する前に安全教育を徹底させ生徒の為にどのように行動を取れば良いのか頭の中でトレーニングを
させるのが一番である。

そして事故はあるものと思って炭焼きに参加させること。概念を先に入れておくと事故は少ない。
どんなことでも100lの安全は無いと想うこと。

 守るべきこと
 1.障害保険を参加者全員にかけること(1人200円以下です)
   少しのお金で最大の安心が買えます。
 2.安全な服装の徹底、竹や木で擦過傷、刺し傷、切り傷が発生する危険あり
   火傷に対する配慮・燃えにくい服装をさせる。夏でも必要事項
 3.保護眼鏡・マスク・手袋の着用 ノコギリや薪割り中に破片が飛ぶ恐れもあり必要ならヘルメットもかぶさせる。
   ノコギリで人間を切ってしまう。水が窯に入り爆発し炭が飛び出たり、窯から高温のガスが発生したり、一酸化炭素
   中毒もあります。
 4.時間の徹底・近くへ遊びに出て行ってしまい時間になっても帰らない行方不明の生徒がいました。
   炭焼きはたいてい山の中が多い。
 5.引率者には生徒・児童の保護責任があり、現場の部外者の講師等には責任を押し付けてはいけないこと、
   全ての事故の責任は参加団体・学校で全て責任をとらねばならない事を自覚させる。
 6.炭焼きをする場合には学校・団体の長または引率責任者から責任に対する承諾書の提出を必ず求めること。
   
 7.筆記用具を持ってこない生徒や先生もいました。小学生は今まで全て筆記用具をもって来ていました。
   高校生が一番だめ。次に先生です。
 8.夏季は熱射病の対策も意外と炭焼きの熱も熱いので注意も必要です。
   冷水の用意
 8.場所によっては崖や谷もあり危険な動物に対する注意も必要です。
   マムシ・ヤマカカシ・ハブ・毒虫・猪・熊・蜂・其の他
   エマージェンシーキットを用意する。


【ダイオキシン類の分解について】
 ダイオキシン族は太古よりあった物質です。この発生のメカニズムは塩素化合物や塩分を一緒に燃やしたときに発生しま
す。木や草にはほとんど塩分が少ないので山火事等で燃えてもダイオキシン類はほとんど発生しません。
 太古より山火事や火山の噴火で海水がマグマと合うと海水の塩素と空気中の酸素などにより発生しますが、過去から、
現在までダイオキシンは残っていません。
 実は木や草から発生する微量のダイオキシンは太陽から来る紫外線により全て分解されるからです、また地中の中でも
少しずつ分解されてきました。
 また、火山は塩素化合物の宝庫ですが、火山からは、ダイオキシンは発生しません。火山灰を利用した新しい型のごみの焼
却炉も、開発されています。
しかしながら、現代社会は塩素化合物の固まりの中で生活をしています。この代表的なものがプラスチック素材です。私た
ちの周りにあるあらゆる物が塩素化合物から成り立っているからです。そして問題はプラスティック等から発生する各種のダ
イオキシン族です。
 その他の塩素化合物てである印刷用インクの中にも含有されており、新聞紙を燃やしますと、木材よりも何百倍のダイオ
キシンが発生します。
 この中で一番多いのが廃プラスチックなどの焼却炉から発生するものです。
タバコを吸う方には、ちょっと耳の痛い話ですが、1年間に日本国中のタバコからはどのくらい、ダイオキシンを出すかといえ
ば16000000000000ピコグラムです。※(0の数はいくつありますか? 数えてみてください。)
 でも一番ダイオキシンが出るのは、魚の塩焼きなども多く出ます、それよりも、家庭から出る生ごみを燃やすときが一番出
るのを知っていますか、煙が出なくともダイオキシンは発生しています。でも1000℃以上の高温ではダイオキシンは分解さ
れます。高温の焼却炉を持っている自治体は、分別収集をしていないと思います。ただ高温だと窒素酸化物が多くなり、脱
硝反応設備をつけなければなりません。
 車でも、ディーゼルは燃料の品質が日本では悪い為と機械式ポンプのエンジンでは黒煙が多く発生しますが、新しい電子
燃料制御装置の付いたエンジンでは黒煙は発生が押さえられています。ガソリン車は二酸化炭素の排出がディーゼルに比
べ多い為にヨーロッパでは、環境保護のためにディーゼル車に乗り換えている人が多いのは、何故でしょう。
理由はヨーロッパの軽油には日本より硫黄分が少ないからと効率はガソリン以上だからです。
日本でもサルファー(硫黄)フリーのガソリンも発売されました。サルファーなどとカタカナで書く必要は無いと想いますが

注意事項
2003年度からの軽油の硫黄は50PPMとなり今までの、10分の1になりました。2005年には10PPM以下となりはガソリンの
硫黄分と同じように減少します。
8都市対応型のエンジンも7年度規制には対応できません。対応エンジンはガソリンエンジンより環境に対して今までより良く
なります。東京都内のほうが地方より空気が奇麗になるかもしれません。
将来酸素を消費しない物を作らないと人間は窒息死するかも。
2005年1月から販売されるガソリンと軽油の硫黄含有率は10PPM以下になります。
日本ボッシュ(BOSH)が生産している新型のデーゼルインジェクションは軽油を2000barの圧力で噴射し、燃焼後は触媒とフィルター
を通すことで現在の新型のガソリン車より排気ガスが奇麗ということが発表されました。
ユーロのデーゼ4規格をパスした環境対策エンジンが発売されています。
また外務大臣も中国のODAも減額し、中国の環境対策に回さないと日本へ酸性雨などの公害が降って来るのを止めないといけ
ないと発言されていました。大分大臣も変わったなと思いました。

 ダイオキシンについて
 竹炭を作るために約20キログラムの木材を燃やして出来るダイオキシンと、タバコ1箱と比べれば、タバコより大分少ないと
思います。最初は低温でダイオキシンの発生が少なく、私の窯では最後の所で1100度という高温により、燃し口部分の灰も
送風により内部に送られ高温になり、ダイオキシン類が分解されるためです。
 では何故、タバコでのダイオキシン類が多いかというと、タバコに使われている残留塩素系農薬があるためです。農薬が無
ければ良質のタバコの葉が生産出来ないからです、また、農薬の主成分は大部分が塩素化合物から合成されています。
ダイオキシンが地面に降りるのは土壌での分解が考えられますが、お茶みたいに葉を利用するものは葉の上に降るので、直
接口の中に入るので、ダイオキシン類が飛んでいるところで生産されたお茶は注意が必要とおもわれます。
 塩化ビニールは塩素化合物ですから、これを燃やすと、ダイオキシン類はいっぱい出ますが、何時も皆さんが使っているペッ
トボトルは塩素が入っていません。また発泡スチロールも塩素は含まれていませんので燃してもダイオキシンの発生はありま
せん。炭焼きの煙は、竹や木の乾留による、煙ですのでダイオキシン類とは関係ありません、でも魚の干物に、この木酢液を
薄めて塗ると魚の燻製となってしまいます。
 この煙から竹酢液を採取して、半年以上静置すると液が3つに分かれます。
この中間層を取り出し、精製しますと、特に山桜の木酢液は100mlで3500円くらいはします。
竹酢液の微量の毒薬成分が無いと体の悪い部分が直らない。(故岸本先生の言葉です)
動物と植物を炭にして、ミネラルの成分を比較すると、全く同じになる。(同上)

 このごろ、落ち葉のごみを燃させないのも、おかしな人の考えです。車から出る物と落ち葉を比べるのはおかしい。
 太陽の紫外線を利用して分散化したダイオキシン類の分解のほうが経済的効果が高いはず。落ち葉を燃やして出来た灰はア
ルカリ性を示し、田畑に撒いてやれば酸性化した土壌の中性化になります。

中国大陸から飛んでくる酸性物質、東南アジアから飛んでくる黒煙微粒子の方がもっと怖い話と思いませんか。筑波から出
されている、化学気象情報を皆さんも関心をもってください。

 最後に皆さんで、いっぱい炭焼きの煙を出して、回りの方を煙に巻きましょう。
 残った灰はアルカリ性の貴重なものです。これも中性化材料として畑や花壇に撒いて植物に生気を与えましょう。
 この文章は元東邦大学教授の大森禎子先生との話から修正加筆して書きました。

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