最終修整日2009/02/14
炭焼き窯を作るときの注意事項 

炭焼き窯作りは電動道具など多くの危険を伴うことばかりです。
各種の道具の取り扱いに注意を要する。
岩崎式炭焼き窯を作るときの事故や怪我は全て自己責任です。
仕事中は常に安全を考えて行い周りにも配慮すること。
必要な場合は保険を掛けてから製造を行うこと。
作る実力が無ければ絶対に手を出してはいけません。
近くの板金関係の会社で作ってもらうのが一番良いと考えます。

【ドラム缶で、炭焼きの窯を作る】       岩崎式炭焼き窯 IM―4SAⅢ
          

 2008/02/05 修正改定 写真下部の文章の訂正はしていません。
IM- 4型は上の口が二箇所       ドラム缶2個から1個の岩崎式炭焼き窯が出来き材料の投入口が小さな2つ口です。
IM-10型は一箇所の違いです。    ドラム缶4個から2個の岩崎式炭焼き窯が出来き材料の投入口が大きな1つ口です。
一番下部からIM-10の詳細で確認してください。

この炭焼き窯を世界中に広めて酸性土壌の中性化をしてもらいたい為に基本的に無償となっていますが
ドラム缶の簡易炭焼き窯を新聞雑誌等の報道機関に公表するときは岩崎式(高速)炭焼き窯の使用している
文を入れることと、私が炭焼き窯の見学に行ったときはお茶の一杯をご馳走することが決まりとなっています。


また竹・木炭を酸性土壌の中和剤として埋めることは二酸化炭素の削減にもなり環境にも良いことです。
C=12:O=16:CO2=12+16+16=44 なので1Kgの炭を埋めると44÷12=3.66Kgの二酸化炭素の削減になります。
実際の炭は炭素含有量は90%程度の含有量として3.3~3.5Kgとなります。
この炭焼き窯を作るのにあたり、安全教育を十分に行って下さい。
ヘルメット・安全眼鏡・手袋・マスク・安全靴の着用・安全な着衣であるか

できるだけ新品のドラム缶を使うこと。耐用年数を考えて1.4㎜以上の厚みのドラム缶を用意したほうが良いと考えます。
ドラム缶は一般のオイル缶の場合は1㎜厚です。エチレングリコールや流動パラフィンなどは1.4㎜となっています。
ステンンレス缶は熱による変形が激しいためにお勧めできません。どうしてもという時はアングル材を大量に溶接して変形
を防ぐ必要が有ります。
エチレングリコールは車の不凍液です。解毒剤はエタノールです。
流動パラフィンは食物添加剤ですので安全です。
ドラム缶の中の油による爆発防止の処理・有機溶剤に注意をすること。
廃油処理の準備や廃油による環境防止対策をすること。

電気を使った機械の感電防止と火気の取り扱いと火気に注意を要します。
必要な場合は危険物取扱者の判断を要します。
それぞれのガス溶接取扱者・アーク溶接取扱者の免許保持者

最初にJW-Winを用意します。メインのページからダウンロードのページに移動して必要な炭焼き窯の簡易データ
を右クリックし保存を選んでください。そしてJWcadを起動し保存したデータを開き印刷します。
またA4のプリンターで印刷出力できるように一枚にしてあります。
JW-WINは無償です。使い方は各自で勉強してください。解らないときは建築関係のCAD設計をしている方ならば
殆どの方が使えるソフトですので周りの方に聞いてください。市販品のマニュアル本に取り扱い方があります。

 日本炭焼きの会  故岸本定吉博士推薦品  海外炭焼き協力会 杉浦 銀治先生 推薦品です。
 日本炭化学会の論文誌に掲載されています。(IM-4で論文化しています。)
 

 
01.ドラム缶を2つ又は4つ用意します。
ドラム缶2個 燃焼部+蓋、と炭化部
補強アングル材、空気通路補強材、ロストル材
入り口側箱、 煙突アダプター
02.一つの缶を半分に切断しフタと燃焼部の線引き
蓋は三枚切り取ります。一枚は予備になります。
03.炭化部の材料出入り口の線引き。
  空け口は全周の四分の1 90度 フタが120度
縁は5~6㎝ 真ん中の幅は7~8㎝
04.炭化部排気の穴の線引き 90φ 下ぎりぎり
  上下の位置の間違いに注意
100φに削ります。
05.燃し口の線引き 幅20㎝ 外の下から20㎝
  20㎝は重量ブロックの高さに 内幅1㎝溶接用
06.3分割の線引き前面は使いません
  横が三枚の蓋になる為の線引きです
07.高温空気通路の線引き上の縁から9㎝+4㎝
  アングル材が無いときは9㎝高さで折り曲げ
08.炭化部の材料出入口の切断 四分の1空ける
  縁の内側は5㎝程残す センターは8㎝残す
09.排気部の穴を円形に切断する 90φ
  空けたら縁を綺麗に鑢がけ100φにする
10.高温空気通路の切断 高さ9㎝ 空気通路の上側は滑らかにするためにヤスリがけ
11.ドラム缶を横切りに切断 左燃焼部
                  右蓋が三枚
12.半分のドラム缶を3分割に切断一個は蓋の予備
  ふたを炭化部に載せた様子
13.燃焼部の接続箇所のスリットの線引き
  4㎝幅で全周に線引き
14.スリットを切り内側に曲げる
 3~4㎝深さに切り込みを入れる
15.燃焼部に枠を溶接 3t×200×200×3~4枚
16.燃焼部の穴を開ける 1㎝は内側に曲げ溶接
  最初に口の穴を空けてから枠を付けても良い
17.アングル材で空気通路の補強 高さ8~9㎝
  溶接は炭化炉内部も行う
18.燃焼部と炭化部の溶接 上面は丁寧に
  空気通路は完全に溶接する
19.アングル材で横の補強と三箇所アングル材で
  追加補強  両側の補強
20.炭化部の大きな穴は内側から鉄板を付け溶接
煙突の100φアダプターの取り付け
21.ロストルの溶接 厚さ3㎜×44㎝×7㎝×2枚
  44㎝×6㎝×4枚    44㎝×5㎝×2枚  
  42㎝×6㎝×2枚 並び順 7-6-6-5 5-6-6-7
22.完成した炭焼き窯です。
  
竹・木酢液採取缶の穴あけ位置 横両側の穴あけ位置 中心は下部から20㎝
完成写真 パイプバンドは100円ショップで購入 排気煙突の囲い作成(隅を残して穴あけ)

【戻る】

【炭焼き窯の設置について】

詳細は設置の項目を参照

 炭焼き窯の設置場所については、火の入り口と煙突の配置を考えなければなりません。まず、窯を置く場所を決めて、ほぼ水平になるように、ALC(37㎜以上)が平らに敷けるように土地に均し(ならし)ます。1個の場合には、幅が1.5m奥行きが2.5mくらいの場所を必要とします。次に、ALCの板1枚を下に敷きます。これは大地との断熱を行います。次にドラム缶窯の周辺に畑の土(鹿沼土を推奨)を置いて簡単に固定します。炭焼き窯から両横に10㎝離した所にALCの板で立てます。そして棒で30㎝間隔に打ち込み、板を固定します。そして、この間に乾いた鹿沼土と細かい畑の土を混合して上のドラム缶の口から10㎝下まで入れ、よく土を締め固めます。この土は、断熱材としての役目をします。
鹿沼土が無いときは畑の細かい土と籾殻を半々に混ぜて使います。

燃し口側は重量ブロック2個を炭焼き窯の両側の前面に合わせて置きます。その上に半分のALCを上に載せて、パイプや鉄棒でブロックの穴に通し、そして下部のalcに貫通させて固定します。


排気部には10㎝φのT型の曲がりの下部のフタを取り除いて付けます。そのT曲がりの下部分には細かい石をつめます。これは最初に竹や木から出る水分を取り除く役目をします。別に気にならなければL型だけでも大丈夫です。その曲がりに10㎝φの煙突を垂直に取り付けます。その煙突の両側に軽量ブロックを三段に積み重ねます。そして18ℓの缶(一斗缶)を用意して上下(天地板)の鉄板板を厚手のカッターや缶切りで取り除いて四角柱のパイプにします。これをブロックの上に煙突を真ん中にして載せます。そしてALCと炭焼き窯の間に鹿沼土を入れて出来上がりです。18ℓ缶(一斗缶)の中にも上の縁まで土を入れてください。これはパイプを保温するためと煙突が土より15㎝出ていますので、煙突に18㎝程度のミルク缶やペール缶などでフタをしたときに缶の縁が土に埋まり空気を遮断するためのものです。

竹酢液を作らない方は低温の場合は106㎜φのステンレス煙突を2本用意します。
高温の場合は4本用意します。900℃以下での炭焼きでは2本、900℃以上では4本使います。
煙がなくなってから煙突を付けてもよいのですが、高温のため火傷による怪我を防ぐために、120℃で煙突を増やすか、竹・木酢液を取らないのなら最初から煙突を4本にします。

竹酢液の分留に使うステンレスの煙突を12本以上用意します。採取部はどこかに写真がありますので参照してください。

竹酢液の採取するときは70℃になったら、全て薪は木から竹に切り替えます。
煙の温度が85℃になったら2本の垂直の煙突を外し竹酢採取用の煙突に付け替えます。採取の最高温度は120℃までです。終わったならば垂直の煙突に戻します。
実際は20m以上の長さにすると多く採取できます。
用途として農業での使用では150℃まで竹酢液を採取します。

【戻る】

炭焼き方法について】竹の炭を作る工程について説明します。

詳細は竹炭の焼き方を参照

安全教育の徹底をお願いします。
今の子供は与えられた仕事しか出来ない者が大部分であり、自分自身を守る教育を、お願いします。手袋の着用やマスクの着用、防護眼鏡の着用、燃えない上着や長袖長ズボンは必要です。靴にも注意。炭焼きの周りでは走らせないこと。指定以外には行かせないことなどの細かい説明をして下さい。
特に火傷にも注意(近くに必ず4つのバケツに水を入れて用意しておくこと)

 用意する材料、工具
炭にする竹や木、温度計250℃まで計れるもの、あれば1200℃まで計れるK型熱電対温度計、竹、木酢液の採取ようバケツ又はミルク缶、竹炭の場合 約3時間、木の場合5~6時間の火入れです。木の場合、竹と読み換えてください。シャベル、バケツ、消火用水、余分な土(入り口を塞ぐ)、ミルク缶(出口用)、pH計測器、炭にする竹の用意、真竹でも孟宗竹でも、どちらでも手に入れることの出来る方の竹(木)を用意します。特に5年以上の古い竹なら、なお良いのですが。新しい竹ですと、割れが多く発生しますし、軟らかい炭になります。

 竹の長さはドラム缶に入る長さに切らなければなりません。できるだけ40㎝の大きさにそろえます。そして竹は、中に空気の部屋を持っていますので、この部屋の仕切りを取りませんと、爆発をしてしまいますので必ず節を金属の棒などで、穴を開けるか、2~6等分に割って節を取り、体積が小さくなるように、してください。
熱で竹が爆発して少々音が出て良い方は丸のそのままで。

 そして、窯の中に横に寝かしたり、縦に置いたりして焼いてゆきます。竹を窯に詰める時に、材料の上側には、5㎝くらいの隙間を作って置いてください、ここは、熱風が通るところになります。詰め終わったならばドラム缶に蓋をしてから、その上に、10㎝以上の厚さに土を被せます。土は丁寧に押し固めて、空気が入らないようにします。垂直煙突を2本付けます。これは排圧を少なくするためです。1回に使う燃し木は出来るだけ乾燥した燃え易い木を用意してください。

3時間で杉材で30kg以上の燃し木を使います。木の場合は1.6倍は最低用意します。私は杉材の端材と米松の端材を使っています。燃し木は直径が3㎝以下で、かつ長さが40㎝以下に切ってしておきます。窯の燃し口の長さは42㎝ですので木の長さが長いと、窯の外に出てしまい、外で燃えますと、この熱による上昇気流により熱が外へ引かれてしまい、内部の温度が下がるからです。

 まず火起こしの準備をします。焚き火等をして、種火を作り、その木を窯に入れます。窯の中で火が着きましたら、火を絶やさないことが一番です。
 燃しすぎもエネルギーの無駄となりますので効率良く、火燃しをします。時間的なことに移ります。火をつけてから、40~50分で煙突から出る煙の温度は80℃以上に達します。これ以前の温度では、竹や木に含まれている水分やメタノール(78.7℃が生成温度)等の有害物質が多く、あまり良い竹酢液が取れません。経験をつむために、このときの煙の色、出具合を記録しておきましょう。色と温度は密接な関係があります。70℃で杉材を竹に全て変えてゆきます、これは100%の竹酢液を採る為です。
 85℃の温度になったら、分流用煙突に付け替えます。竹、木酢液を取る温度は85℃~120℃のところです。150℃を超えますとタール分などの物質が多くなル為です。タールには発ガン物質があります。分留に使う、パイプとして竹も意外と効率が良かったので、安く上げるためには竹の長いものを2本つないで使うのも趣があり、写真映りも良いと思います。ただし半分に割り、下側は節を奇麗に削り取ります、上側は荒削りで、そして二つを上下に合わせてステンレスの針金などで止めます。そして、少し隙間を作り外気が入るほうがより冷却効果が現れより液が多く取れます。

しかしながら効率としては10mのステンレス煙突に比べ20%以下です。
 また、出てきた竹酢液のpHも計ってみましょう。缶から液を30mlほどビーカーに入れガラス電極を中に入れてメーターを見てください。だいたいpHは2.2~3.3位を示します。 火の当番の方は食事をするのも大変ですので、出来るなら2人以上の方が交代で当番にあたれば、なおさら良いと思います。
 ただし、炭焼きは炭を蒸すことですので、火力を強くしたり、風を大量に送ると、火が内部の木に燃え移りますので、最後以外は、すべて蒸すことを考えてください。くれぐれも、空気を送らないように、気の短い人は大量に木を入れて空気を大量に入れるので失敗します。

なお、学校での実験の場合には、煙突の先端部分から出る煙の色を15分ごとに、観察させてください。その時に排気温度も測ってください。(なお煙突の外部温度と内部温度の差は20℃くらいあります。高温になるに従い、内部温度が600℃以下のときは煙の温度と内部温度の比が1対2ていどになります。高温では逆転することもあります)分留用の煙突から出てくる液体は、溢れないようにして、別な大き目の容器に集めます。あとで、ペットボトルに入れて、3ヶ月以上放置しておきますと、液が上、中、下の3つの層に分かれます。上の部分には、油成分が下の部分にはタール成分とに分かれます、この中間の液体が良質な竹酢液となります。このまま、火を入れていきますと、大体3時間程度(木で5時間以内)で内部の竹(木)全体の炭化が進み、竹は真赤になります、このときの煙突から出る煙の色が白煙から青紫の透明な色になります。この時で750℃~900℃程度の温度になっているはずです。

 この透明の色になりましたら、約5分ほど待ってから、入り口の穴を半分以下にします、そして5分くらい待ちます。この後、用意してある土で、入り口を全て塞(ふさ)ぎます。2本の煙突を外し、排気煙突部も缶等でフタをして、内部を窒息させ消火します。出来るだけ、長く酸欠状態にして、4時間ほどで、200℃以下まで温度が下がるのを待ちます。時間が有れば次の日に出すのも良いでしょう。

この炭焼き窯では奨励は絶対にしませんが、窯の寿命が短くなってもよい方は1000℃にする為には、ここで煙突を2本足して4本にして燃し口から空気を大量に送り込みます。ただし上部の一部は燃えて灰になります。

内部温度が1000℃になったら、すぐに(一分以内)煙突を外して窒息消火を行います。

 ただし授業などで時間が無いときは1時間くらい自然冷却した後、中の炭を手早く取り出し細かい川砂や灰をかけて短時間に冷却を行います。このときには皮手袋や保護眼鏡などの安全防護服を着用して行うこと。

IM-10型詳細ページ

  【戻る】